父・井上光晴、母、そして瀬戸内寂聴をモデルに、逃れようもなく交じり合う三人の〈特別な関係〉を、長女である著者が描ききった衝撃の最高傑作。
朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日経新聞、週刊現代、週刊朝日、女性自身、週刊ポストほか各紙誌で大反響の問題作いよいよ文庫化。
一九六六年、講演旅行をきっかけに男女の仲となる二人の作家、白木篤郎と長内みはる。繰り返される情事に気づきながらも心を乱さない篤郎の美しい妻、笙子。みはると笙子、二人の愛と〈書くこと〉に貫かれた人間たちの生を描ききった傑作。至高の情愛に終わりはあるのか?
瀬戸内寂聴さん絶賛!
モデルに書かれた私が読み 傑作だと、感動した名作!!
作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった。五歳の娘が将来小説家になることを信じて疑わなかった亡き父の魂は、この小説の誕生を誰よりも深い喜びを持って迎えたことだろう。作者の母も父に劣らない文学的才能の持主だった。
作者の未来は、いっそうの輝きにみちている。百も千もおめでとう。――瀬戸内寂聴