生きづらさを抱えながらも“いま”を愉しむ女たち
不倫の代償、夫の裏切り、虚ろな生活――
あらゆる幻想を塗り替える女性をめぐる本当の関係
結婚したばかりの男に思いを寄せる作家志望の美玖。編集者の弓子は不倫する夫を監視しながら自尊心を守ることに必死だ。インテリアデザイナーのユリは仕事も家庭も充実しているように見えるが、本当の生活が見通せない。女たちの新たなつながりを描く物語。
「女たちは寄り添ったり突き放したりを繰り返す。本の中の物語が終わったあとも、三人の女がグラスをぶつけ合う様を想像してついほくそ笑んでしまう。(……)本人のいないところで陰口を言いたくなる悪友のような小説だ」
(王谷晶「解説」より)