「眩いばかりの一冊
未来がどのように発展し生まれるのか、
新結合を超える視点を得たければ
まずはこれを手に取るべし」
――安宅和人氏(慶應義塾大学環境情報学部教授・LINEヤフー株式会社シニアストラテジスト/『イシューからはじめよ』『シン・ニホン』著者)推薦!
「ガラス」「冷たさ」「音」「清潔」「時間」「光」――。人類の文明を劇的に変化させた、これらの6つの大発明に寄与したのは歴史に名を残した一握りの偉人だけではない。
むしろ、名もなき市井の人びとが目の前の問題と格闘するなかで予期せず生まれた。もちろん、思いがけない外的影響も無視できない。「ぜいたく品」が「あたりまえのもの」になるまでの苦労の道程、そして奇跡とは。著名人から知られざるアマチュアまでさまざまな発明に光を当てながら人類進化の歴史をひもとく、まったく新しい世界史の物語。
単行本刊行時、新聞やビジネス誌など数々の書評で取り上げられ、科学者からビジネスパーソンまでを魅了し続けた一冊が待望の文庫化!
《解説・安宅和人》
■序章 ロボット歴史学者とハチドリの羽
ハチドリの羽はどうやってデザインされたのか?
世界を読み解く「ロングズーム」
■第1章 ガラス
ツタンカーメンのコガネムシ
ガラスの島
グーテンベルクと眼鏡
顕微鏡からテレビへ
ガラスで編まれたインターネット
鏡とルネサンス
ハワイ島のタイムマシン
ガラスは人間を待っていた
■第2章 冷たさ
ボストンの氷をカリブに運べ
氷、おがくず、空っぽの船
冷たさの価値
氷によってできた街
人工の冷たさ
イヌイットの瞬間冷凍
エアコンの誕生と人口移動
冷却革命
■第3章 音
古代洞窟の歌
音をつかまえ、再生する
ベル研究所とエジソン研究所
勘ちがいから生まれた真空管
真空管アンプ、大衆、ヒトラー、ジミヘン
命を救う音、終わらせる音
■第4章 清潔
汚すぎたシカゴ
ありえない衛生観念
塩素革命
清潔さとアレルギー
きれいすぎて飲めない水
■第5章 時間
ガリレオと揺れる祭壇ランプ
時間に見張られる世界
ふぞろいな時間たち
太陽より正確な原子時計
一万年の時を刻む時計
■第6章 光
鯨油ロウソク
エジソンと“魔法”の電球
“天才”への誤解
ピラミッドで見いだされた光
スラム街に希望を与えたフラッシュ
一〇〇リットルのネオン
バーコードの“殺人光線”
人工の“太陽”
■終章 タイムトラベラー
数学に魅せられた伯爵夫人
一八〇年前の“コンピューター”
隣接可能領域の新しい扉
スティーブン・ジョンソン(Steven Johnson)
影響力のあるさまざまなウェブサイトを立ち上げ、また、PBSとBBCのテレビシリーズ『私たちはどうして現在にいたったか(How We Got to Now)』の共同制作者であり、司会も務めている。著書に、『感染地図』『世界を変えた6つの「気晴らし」の物語』『世界が動いた「決断」の物語』『世界を変えた「海賊」の物語』『EXTRA LIFE』など多数。妻と3人の息子とともに、カリフォルニア州マリン群とニューヨーク市ブルックリンで暮らしている。
大田直子(おおた なおこ)
翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。訳書に『音楽嗜好症』『隠れていた宇宙』『人類とイノベーション』『においが心を動かす』『脳は世界をどう見ているのか』『神のいない世界の歩き方』『「こころ」はどうやって壊れるのか』『善と悪の生物学』など多数。