「果穂、おまえはどっちについて行く?」――家族というこの船には穴が開いてしまった。海水が流れこみ、もうじき沈むのだ。(「沈みかけの船より、愛をこめて」より) 破綻しかけた家庭の中で、親を選択することを強いられる子どもたちの受難と驚くべき結末を描いた表題作ほか、「時間跳躍機構」を用いて時間軸移動をくり返す驚愕の物語「地球に磔(はりつけ)にされた男」など全11編、奇想と叙情、バラエティーにあふれた「ひとり」アンソロジー。
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