■特集
仏涅槃図
仏涅槃図は、2月15日に行われる涅槃会の本尊です。図様が定型化する以前の平安・鎌倉時代の作例は、経典の記述をふまえながら表現が工夫され、作者の創造性がうかがえる、個性的な画像となっています。
本特集号では、古様を伝える第一形式の作例から4点、鎌倉時代に生まれた第二形式の作例から4点の、合計8点の仏涅槃図を紹介します。解説は、仏涅槃図についての論文を発表したことのある研究者が担当し、各人が仏涅槃図研究に対して現在抱いている問題意識に基づき、自由にその特色を指摘しました。本号の論述を契機に、仏涅槃図に関する理解が深まることを期待してやみません。
■本文
仏涅槃図試論
執筆=関口正之 〈遠山記念館〉
金剛峯寺蔵 仏涅槃図(応徳涅槃)
執筆=有賀祥隆 〈東北大学〉
新薬師寺蔵 仏涅槃図
執筆=林 温 〈文化庁〉
石山寺蔵 仏涅槃図
執筆=関口正之 〈遠山記念館〉
宝生院蔵 仏涅槃図
執筆=梶谷亮治 〈奈良国立博物館〉
浄土寺蔵 仏涅槃図
執筆=渡辺里志 〈東海学園大学〉
叡福寺蔵 涅槃変相図
執筆=井手誠之輔 〈東京国立文化財研究所〉
剱神社蔵 八相涅槃図
執筆=百橋明穂 〈神戸大学〉
個人蔵 釈迦八相図
執筆=泉 武夫 〈京都国立博物館〉
■図版
仏涅槃図 [部分・カラー] 〈和歌山県 金剛峯寺〉
絹本着色 掛幅 縦268.2cm×横269.8cm
仏涅槃図 [部分] 〈奈良市 新薬師寺〉
絹本着色 掛幅 縦186.4cm×横165.2cm
仏涅槃図 [部分] 〈大津市 石山寺〉
絹本着色 掛幅 縦249.1cm×横281.2cm
仏涅槃図 [部分・カラー] 〈名古屋市 宝生院〉
絹本着色 掛幅 縦130.1cm×横78.3cm
仏涅槃図 〈尾道市 浄土寺〉
絹本着色 掛幅 縦174.5cm×横133.5cm
涅槃変相図 [部分・カラー] 〈大阪府 叡福寺〉
絹本着色 掛幅 縦110.2cm×横59.4cm
八相涅槃図 [部分] 〈福井県 剱神社蔵〉
絹本着色 掛幅 縦210.3cm×横274.5cm
釈迦八相図 [部分・カラー]
絹本着色 掛幅 縦142.5cm×横78.0cm
編輯委員
主幹 辻 惟雄
小林 忠
田辺三郎助
関口正之
高階秀爾
河野元昭
海老根聰郎
竹内順一
小川裕充
佐野みどり
名誉顧問 水尾比呂志
発行
國華社
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