書籍
小説
北条五代 上
火坂 雅志 著 / 伊東 潤 著
ISBN:9784022517371
定価:2090円(税込)
発売日:2020年12月7日
四六判上製  404ページ 

早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直の五代百年にわたる北条氏の興亡を描いた歴史巨編。伊勢新九郎盛時(後の北条早雲)は今川家の内紛を取りまとめ、やがて伊豆・相模を平定する。早雲を継いだ第2代・氏綱は武蔵・駿河にまで進出し、北条家の地歩を固めるが……。

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<書店員の皆さまからの感想です!>

戦国には戦国の生き方がある。
すべては民と共に生きるために。
風を受けて嵐を巻き起こしながら、滅びのその日まで志を持って闘い続けたもののふの魂。
義と秩序を重んじ受け継がれた決意と覚悟は、為政者のあるべき姿として決して朽ち果てることはない。
宿命を背負った凄まじい血脈の物語。
ラストに感じる眩しい命の輝きは永遠だ!
(ブックジャーナリスト 内田剛)

故人の遺稿を引き継ぐことは、いつの時代も賛否両論あり、勇気と覚悟が無いとできなかったことだと思う。
五代の中では個人的に氏直の生きざまが好きかもしれない。
豊臣勢に小田原征伐を受けながらも、屈したようでありながら最後まで失わなかったものこそが時代を超えて、今必要とされているものなのかもしれない。
(くまざわ書店 錦糸町店 阿久津武信)

代を重ねても1つの信念を貫く。それのなんと大変なことか!
戦国の荒波にもまれる北条家。大事にするは「教え」か「人」か?
世代ごと訪れる艱難辛苦は、コロナ禍に翻弄される現代の企業とかぶります。
すべての働く人に読んで欲しい一作です!
(マルサン書店仲見世店 増田 淳)

野心溢れる群雄割拠の戦国期に、「領民の生活安定の為」という行動規範で駆け抜け、滅亡さえ受け入れた北条家の姿は清々しささえ漂う。実際に戦うことを第一義とはせず、極力避けそこに至るまでに策をめぐらせ解決に導こうとする姿は今の為政者にはどう映るのだろうか。北条家滅亡後に移封された家康が力を保ったまま秀吉亡き後を迎え、以降の江戸時代の平和に導いたのは、北条家が関東を耕していたからなのだろうとさえ思う。また武家に生まれた女性が時代の流れに翻弄される姿も代々に挟み込まれており、もの悲しさ、生き辛さを演出しているようだ。
四代・氏政の「われらは強くない。強くないからからこそ関東を手にできたのだ」の言葉がとても印象に残った。
涼やかな風を感じられるような作品。
(明林堂書店 南宮崎店 河野 邦広)