書籍
小説
私が誰かわかりますか
谷川 直子
ISBN:9784022515605
定価:1650円(税込)
発売日:2018年8月7日
四六変判並製  232ページ 
品切れ・再販未定

介護する女の実感満載!

文藝賞受賞作『おしかくさま』で本格的にデビューした実力派作家が、実体験にもとづいて「世間体」の影響力を描いた新たな「介護・看取り」小説。

再婚を機に東京から地方都市に移住した桃子を待っていたのは、長男の嫁としてかかわる義理の父の介護だった。アルツハイマー病の夫を三年老々介護した義理の母がついに白旗を上げたとき、「長男だからおやじを引き取るべきだ。ホームに入れたら世間がなんと言うかわからない」と夫に言われて桃子は悩む。介護の押し付け合い、グループホーム入所後のケア、入院先での付き添い、老健施設への移行。何が正解かわからないまま、しかたなく介護を続ける桃子の前に、必ず世間体が姿を現す。
義父を在宅介護する友人の恭子、育児と仕事と介護の三つ巴につぶされそうになる瞳、死んだ夫の両親に家政婦のように扱われている静子。この三人も、長男の嫁として介護を背負わされ疲れきっていた。血がつながっていないからこそ、嫁たちは世間の視線が気になって介護を投げ出せない。
やがて時とともに衰弱してゆく義父の最期を通じて、桃子は、寿命を生き切るその姿に心を動かされ、老いの力強さを肌で知る。人生を終えるのは一大事業なのだ。

ネット書店で購入

★のネット書店は、在庫のない場合や取扱いのない場合があります。

電子書籍の購入

関連商品

“谷川 直子" の著作一覧