優しく、厳しく、
ときに切ない
おっ母さんの情が沁みる
人気女性時代作家が織りなす
母子(ははこ)をめぐる人間模様
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迷子を育ててきた女髪結のおまつ。
13年経ったある日、思いもよらぬ知らせが……(「鈴虫鳴く」)。
亡き吾子の面影を胸にお座敷に上がる
辰巳芸者のぽん太に訪れた転機とは(「なんてん」)。
母として、おなごとしての生き方を、
人気作家6人が書き下ろした
競作時代小説アンソロジー。
待望の書籍化!
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中島 要「誰のおかげで」
息子は嫁の言いなり、
やりきれなさを抱える母
高田在子「夢見草」
嫁入りを控えた娘の前に
現われたのは――
志川節子「つづら折り」
染めの型彫りを手がける
職人かたぎの母娘
永井紗耶子「母の顔」
若き絵師が、身重の妾の
亡き母の似絵を依頼されて
坂井希久子「なんてん」
粋でおきゃんな辰巳芸者が
胸に秘めた思い
藤原緋沙子「鈴虫鳴く」
生さぬ仲の母子に訪れた
思いもよらぬ現実