テーマ編
オペラと文学――蝶々夫人、椿姫、カルメンほか
1598年、フィレンツェで世界最初のオペラが初演された(牧歌的悲劇『ダフネ』)。以後400年間、「体質が違う」オペラと文学は、長い反目と葛藤の中から幾多の名作を生み出してきた。オルフェオの嘆き、カルメンの誘惑、道化師リゴレット、エレクトラの復讐、優美な『ばらの騎士』の世界……。総合芸術としてのオペラの愉しみ方をじっくり紹介する。
「体質が違う」オペラと文学は四百年間、反目と葛藤を繰り返した。/岡田暁生(神戸大学助教授)
バロック・オペラと英雄たち/津上智実(神戸女学院大学教授)
神話から歴史劇へ/岡田暁生
コンサート・オペラの中から/大野和士(指揮者)
近代化の中の「日本オペラ」/渡辺 裕(東京大学助教授)
武満徹の未完「オペラ」/小沼純一(評論家)
<センター>オペラ座の光と影──『オペラ座の怪人』の世界/渡辺 裕
プーシキンと作曲家たち/永田 靖(大阪大学助教授)
世界は一冊の辞書/原田範行(杏林大学助教授)
時事オペラの時代/藤村晶子(桐朋学園講師)
作家と作曲家の複雑な関係/岡田暁生
二十世紀のオペラ/長木誠司(評論家)
オペラハウスへの誘い/渡辺 裕
オペラ『沈黙』の誕生/松村禎三(作曲家)
男うた女うた60 母の絶唱/馬場あき子(歌人)
文学を旅する60 津軽/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集60 蝶々夫人/高橋春男
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)