分冊百科
世界の文学
世界の文学 61号
定価:586円(税込)
表紙:マネ画『エミール・ゾラの肖像』1868年。パリ、オルセー美術館蔵
発売日:2000年9月5日
61号 
品切れ・再販未定
ヨーロッパIV
居酒屋、女の一生、人形の家ほか
<文体としての物語>
 19世紀のヨーロッパ文学は、フランスを中心に個性的なヒロインを輩出させた。愛の幻想と遍歴、夫婦の亀裂と裏切りなど、運命に翻弄される人間像を通して、女性賛美の名作が綴られる。ボヴァリー夫人(フロベール)、ナナ(ゾラ)、ジャンヌ(『女の一生』モーパッサン)、ノーラ(『人形の家』イプセン)たちの愛の人生をかいま見る。

小説の全盛時代、名高きヒロインたちを生んだのは男性作家のペンだった。/工藤庸子(東京大学教授)

フロベール
「ボヴァリー夫人は私だ」/工藤庸子

百科事典を笑う小説/工藤庸子

作家という小説装置/薄井ゆうじ(作家)

ゾラ
描き出された女の身体/小倉孝誠(東京都立大学助教授)

スキャンダルとしての小説/菅谷憲興(立教大学講師)

<センター>『エンマ・ボヴァリーの最期』/工藤庸子

モーパッサン
水のメランコリー/山田登世子(愛知淑徳大学教授)

イプセン
「女の法」を求めるノーラ/毛利三彌(成城大学教授)

ファーブル
生きた昆虫の発見/奥本大三郎(埼玉大学教授)

出版契約という「戦いの場」/宮下志朗(東京大学教授)

文学小事典

男うた女うた61 歯切れよいこたえ/馬場あき子(歌人)
文学を旅する61 城崎/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集61 人形の家/高橋春男
世紀末パリの怪物たち54 ジュール=アメデ・バルベー・ドールヴィイ/鹿島 茂

編集委員
安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
池内 紀 (ドイツ文学者)
池澤夏樹(作家)
池田 修 (大阪外国語大学教授)
井波律子(国際日本文化研究センター教授)
上野洋三(国文学研究資料館教授)
牛島信明(東京外国語大学教授)
鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
樺山紘一(東京大学文学部教授)
川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
川本三郎(評論家)
喜志哲雄(京都大学文学部教授)
沓掛良彦(東京外国語大学教授)
小森陽一(東京大学教養学部教授)
佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
徳永宗雄(京都大学文学部教授)
沼野充義(東京大学文学部助教授)
野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
宮下志朗(東京大学教養学部教授)
リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
和田忠彦(神戸市外国語大学教授)