ヨーロッパIV
魔の山、車輪の下、マルテの手記ほか
<ドイツ教養小説をめぐって>
20世紀を代表するドイツの文豪、トーマス・マンとヘッセ。二人はともに落第生だった。彼らが描いた青春の物語は、各国の若者たちをはじめ、日本の高校生たちにも読み継がれてきた。素朴な青年が過ごした『魔の山』での時間、そして、エリートからの転落と破局への道(『車輪の下』のハンス)。時代と場所を超えて若者が抱く夢と憧憬の瑞々しさに触れる。
教養小説。素朴な青年の成長物語は、時代とともに変質する。/池内 紀(ドイツ文学者)
トーマス・マン
厄介息子の物語/池内 紀
トーマス・マン
現代の叙事物語/小塩 節(フェリス女学院学院長)
リルケ
あるがままに見る/檜山哲彦(東京芸術大学助教授)
カロッサ
人生の根源と形成/田口義弘(近畿福祉大学教授)
マンやヘッセを読んだ時代/森 毅(京都大学名誉教授)
<センター>永遠の青年像──『夢見る少年たち』/池内 紀
ヘッセ
落ちこぼれの青春─ヘッセの場合/松永美穂(早稲田大学教授)
ヘッセと自然/岡田朝雄(東洋大学教授)
ケストナー
大人の愚かさを描く/泉 千穂子(翻訳家)
ムージル
20世紀の大小説/新野守広(東京商船大学助教授)
古典のパロディー/池内 紀
文学小事典
男うた女うた62 過激こそが美しい/佐佐木幸綱(歌人)
文学を旅する62 小豆島/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集62 ベニスに死す/高橋春男
世紀末パリの怪物たち55 ティモテ・トリム/鹿島 茂
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)