ヨーロッパIV
桜の園、三人姉妹、かもめほか
<近代の黄昏>
移ろいゆく日常と人間の内面を淡々と描いて、日本演劇界にも大きな影響を与えたチェーホフ(『桜の園』『三人姉妹』)。狂疾の発作と闘いながら時代の流れに抗ったガルシンの純粋性(『赤い花』)。非合理な力の爆発を表現した象徴主義詩人ブローク。政治の混迷と革命の予感の中で、ロシアの世紀末は幅広い芸術家群像を生み出した。
ロシアの世紀末は社会的流動性が高まり、さまざまな軋轢を生んだ。/浦 雅春(東京大学教授)
チェーホフ
移ろいゆく日々/浦 雅春
チェーホフの描く「退屈」/岩松 了(演出家)
チェーホフ
小説から演劇へ/浦 雅春
チェーホフ
モスクワ芸術座と『かもめ』/堀江新二(大阪外国語大学助教授)
築地小劇場とチェーホフ/堀江新二
ガルシン
傷ついた魂の叫び/近藤昌夫(関西大学教授)
<センター>『桜の園』について/浦 雅春
ブローク、ベールイ
荒々しい力の爆発/貝澤 哉(早稲田大学助教授)
世紀末ロシアの出版文化/野中 進(埼玉大学助教授)
「芸術の世界」
幅広い芸術運動/五十殿利治(筑波大学助教授)
ヴェルビーツカヤ『幸福への鍵』新しい女性像/沼野恭子(立教大学非常勤講師)
「ヒメラ」
「若きポーランド」の時代/長谷見一雄(東京大学教授)
文学小事典
男うた女うた63 露のめぐみ/馬場あき子(歌人)
文学を旅する63 金沢/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集63 桜の園/高橋春男
世紀末パリの怪物たち56 ジョゼファン・ペラダン/鹿島 茂
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)