ヨーロッパIV
チャタレイ夫人の恋人、第三の男、権力と栄光ほか
<愛の行方、言葉の行方>
恐慌とファシズムの台頭に揺れた1920~30年代のヨーロッパ。「政治の季節」とも呼ばれたこの時代はまた、先鋭的な「闘う文学」を育んだ。英国の階級社会を震撼させたD.H.ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』、国際間のスパイ戦をスリリングに描いたG.グリーン『第三の男』、そして、スペイン市民戦争に参加する詩人W.H.オーデンたちの反逆精神に触れる。
世界が揺らいだ「政治の季節」に闘う文学が生まれた。/高橋和久(東京大学教授)
D・H・ロレンス
階級社会が生んだ爆弾児/武藤浩史(慶應義塾大学教授)
ジョージ・オーウェル 政治と芸術の両立/河合秀和(学習院大学教授)
グレアム・グリーン
スパイとカトリックに憑かれた男/富士川義之(駒沢大学教授)
『第三の男』グレアム・グリーンと映画/渡辺祥子(映画評論家)
イーヴリン・ウォー
悪意と挽歌/柴田稔彦(福岡大学教授)
<センター>ピカソ画『フランコの夢と嘘』I、II/宮内 弘(京都大学教授)
W・H・オーデン
詩は歴史を動かすのか/宮内 弘
キャサリン・マンスフィールド
若い女性の目覚めを描く/出淵敬子(日本女子大学教授)
ハクスレー
知的エリートの冷笑/高橋和久
ディラン・トマス
破滅型詩人の生と死/宮川清司(奈良女子大学教授)
ノーエル・カワード
風習喜劇の行方/村上淑郎(立教大学教授)
文学小事典
男うた女うた67 清新な感受力/馬場あき子(歌人)
文学を旅する67 落合/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集67 チャタレーの恋人/高橋春男
世紀末パリの怪物たち60 アンドレ・ジル/鹿島 茂
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)