ヨーロッパV
嘔吐、異邦人、悲しみよこんにちは、第二の性ほか
<実存、ヌーヴォー・ロマン、現代思想>
戦後のフランス文学を代表するサルトル(『嘔吐』『アルトナの幽閉者』など)とボーヴォワール(『第二の性』)の自由で透明な関係、「アルジェの太陽」のように颯爽と文壇に登場したカミュ(『異邦人』)の生と死、『悲しみよこんにちは』で衝撃的デビューを果たしたF.サガンの感性。虚無と実存をキーワードに、人間存在の意味を問うフランス作家の魅力に迫る。
サルトル、カミュ以降、フランス文学は先鋭な試みの場と化した。/野崎 歓(東京大学助教授)
サルトル
負けるが勝ち/澤田 直(白百合女子大学助教授)
ボーヴォワールとサルトル/澤田 直
カミュ
アルジェの太陽のごとく/西永良成(東京外国語大学教授)
セリーヌ 20世紀若者の陰惨な成長小説/有田英也(成城大学助教授)
ヌーヴォー・ロマン
標しなき道へ/谷 昌親(早稲田大学教授)
<センター>『悲しみよこんにちは』のサガン/野崎 歓
バタイユ、デュラス
忘我の作家たち/西谷 修(東京外国語大学教授)
ソレルス
絶えることなき転身/西川直子(東京都立大学教授)
ロラン・バルト
批評と小説のはざまで/石川美子(明治学院大学助教授)
ロマン・ノワール(暗黒小説)「闇」は活力の源/堀江敏幸(明治大学助教授)
ヌーヴェル・ヴァーグ 革新的な映画運動/中条省平(学習院大学教授)
トゥーサン、ギベール
フランス小説の現在/青木真紀子(一橋大学講師)
文学小事典
男うた女うた75 予定された失恋/馬場あき子(歌人)
文学を旅する75 裏磐梯/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集75 異邦人/高橋春男
書物の歴史をたどる7 カメレオンの迫力/高宮利行(慶應義塾大学教授)
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)