ヨーロッパV
存在の耐えられない軽さ、ゴドーを待ちながらほか
<亡命と越境>
大量殺戮兵器が国境線上を飛び交った20世紀、文学の世界ではその国境が意味を失おうとしていた。異人種、異言語、異文化が交錯する地点に、無国籍化した新文学が開花する。映画化され、世界的なヒットとなったM.クンデラの『存在の耐えられない軽さ』、現代演劇に決定的な影響を与えたS.ベケットの『ゴドーを待ちながら』など、前衛的な作品を読み解く。
「フランス文学」だけで、パリのすべてを見渡すことはできない。/西 成彦(立命館大学教授)
ジャン・ジュネ、ゴンブローヴィッチ
名づけえぬ越境/西 成彦
シュルツ 二度目の思春期とは?/島田雅彦(作家)
コンラッド 「どこにもない歴史」の物語/崎山政毅(神戸市外国語大学助教授)
サミュエル・ベケット
瀕死の語り/西 成彦
植民地の逆襲/中村和恵(成城大学専任講師)
ベケット、イヨネスコほか
パリの不条理演劇とアルトー/坂原眞里(東京女子大学非常勤講師)
<センター>『ゴドーを待ちながら』/坂原眞里
ミラン・クンデラ
悪魔の笑い/石川達夫(神戸大学助教授)
シオラン、クンデラ、クリストフ
外国語と闘う作家たち/西永良成(東京外国語大学教授)
パリの女たち/渡部桃子(東京都立大学助教授)
カリブ海域の現代文学
流浪する響き/管 啓次郎(明治大学助教授)
在日朝鮮人の日本語文学素描/野崎六助(作家)
文学小事典
男うた女うた79 季節のあと/馬場あき子(歌人)
文学を旅する79 大石田/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集79 ゴドーを待ちながら/高橋春男
書物の歴史をたどる11 「時祷書」写本断片/高宮利行(慶應義塾大学教授)
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)