日本II
「近世の出版文化、色摺、古活字本」ほか
<印刷文化起こる>
印刷技術が発展し始めた近世・江戸時代。文学の裾野がいっきょに広がり、曲亭馬琴や柳亭種彦といったベストセラー作家が登場する。と同時に、日本が誇るフルカラー木版美術「浮世絵」も完成の域に。絵とストーリーが一体となった人情本や読本、黄表紙、名所図絵、そして歌麿や北斎が描き出した時代の風俗と人間模様――「出版文化」の高まりの現場を見る。
「整版」技術の発展を背景に、出版印刷文化が花開いた。/佐藤 悟(実践女子大学教授)
色摺
「見当」の発明/松村真佐子(平木浮世絵美術館学芸員)
本替、潤筆料
ベストセラー作家の誕生/佐藤 悟
ケンペルの持ち帰った本/ユーイン・ブラウン(大英図書館コンサルタント)
地本問屋、書物問屋
江戸の地物の草双紙/湯浅淑子(たばこと塩の博物館学芸員)
蔦屋重三郎の面影/鈴木俊幸(中央大学教授)
<センター>歌麿と検閲/佐藤 悟
絶板、改
幕府の情報コントロール/佐藤 悟
フィッセル・コレクションの真実/マティ・フォラー(ライデン民俗学博物館学芸員)
板株
出版権のパワー/山本 卓(関西大学教授)
護持された二つの御文庫/肥田晧三(元関西大学教授)
古活字本
活字にこめた熱い思い/柳沢昌紀(中京大学助教授)
文学小事典
男うた女うた84 酒賛歌/佐佐木幸綱(歌人)
文学を旅する84 山口/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集84 蔦屋重三郎/高橋春男
書物の歴史をたどる15「交唱聖歌集」写本断片/高宮利行(慶應義塾大学教授)
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)