分冊百科
世界の文学
世界の文学 89号
定価:586円(税込)
表紙:『■園小集図』(左端から時計回りに、太宰春台、山県周南、荻生徂徠、安藤東野、万庵、平野金華、服部南郭、宇佐見■水)。東京大学史料編纂所蔵
発売日:2001年3月27日
89号 
品切れ・再販未定
日本II
「本居宣長、荻生徂徠、林羅山」ほか
<正統の革新>
 江戸期に入ると、それまでの宮廷を頂点とした文化の体系とその伝統は、さまざまな人の手で変革を遂げ始める。堂上から地下(じげ)へと拡大する和歌、林家(りんけ)の文芸サロン、古文辞派の台頭、本居宣長が持ち込んだ「もののあはれ」論――近代日本の思想と美意識の基盤ともなった、近世人の知的・学問的葛藤の激しさと「日本人論」の萌芽を見る。

近世の雅文学は、典雅な風格のうちに、自己実現の視点を持ち込んだ。/久保田啓一(広島大学助教授)

後水尾院
宮廷和歌の復興と隆盛/大谷俊太(奈良女子大学助教授)

林羅山ほか
林家の風雅/宮崎修多(成城大学助教授)

荻生徂徠、服部南郭
柳沢吉保と学者たち/高橋昌彦(純真女子短期大学助教授)

隠逸思想と元政/上野洋三(九州大学教授)

<センター>冷泉家住宅の姿/中村利則(京都造形芸術大学教授)

冷泉為村
伝統保存と革新と/久保田啓一

賀茂真淵 古文辞学と国学/田中康二(富士フェニックス短期大学助教授)

小沢蘆庵、香川景樹
京の新風/神作研一(金城学院大学助教授)

本居宣長
「もののあはれ」の文学論/杉田昌彦(静岡大学助教授)

龍草廬、片山北海、市河寛斎 三都詩壇の盟主たち/宮崎修多

文学小事典

男うた女うた89 旅の歌/馬場あき子(歌人)
文学を旅する89 函館/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集89 本居宣長/高橋春男
書物の歴史をたどる20 巨大な本「クレンケの地図帖」/高宮利行(慶應義塾大学教授)

編集委員
安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
池内 紀 (ドイツ文学者)
池澤夏樹(作家)
池田 修 (大阪外国語大学教授)
井波律子(国際日本文化研究センター教授)
上野洋三(国文学研究資料館教授)
牛島信明(東京外国語大学教授)
鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
樺山紘一(東京大学文学部教授)
川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
川本三郎(評論家)
喜志哲雄(京都大学文学部教授)
沓掛良彦(東京外国語大学教授)
小森陽一(東京大学教養学部教授)
佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
徳永宗雄(京都大学文学部教授)
沼野充義(東京大学文学部助教授)
野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
宮下志朗(東京大学教養学部教授)
リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
和田忠彦(神戸市外国語大学教授)