日本III
「みだれ髪、悲しき玩具、銀河鉄道の夜、月に吠える」ほか
<感受性の近代>
与謝野晶子の鮮烈なデビュー作『みだれ髪』。彼女の奔放な恋歌は、時代に抑圧されていた女性たちの解放の道標となる。生活と命を見つめることで歌を絞り出した石川啄木と中原中也。病床から俳句革新をリードした正岡子規、そして『銀河鉄道の夜』の宮沢賢治。時代は文明開化から大正デモクラシーへ。自由と近代化の流れの中で花開いた詩歌の類まれな才能を読む。
寝たきりの子規がメディアを駆使して、和歌千年の歴史に斬り込んだ。/金井景子(早稲田大学助教授)
与謝野晶子
女性の心を映す自惚鏡/金井景子
与謝野晶子 表現者の魂の声/日高堯子(歌人)
高村光太郎 ある愛のかたち/川口晴美(歌人)
萩原朔太郎
詩の世界に身体表現を/小関和弘(和光大学教授)
石川啄木、中原中也
夭折神話を超えて/永原孝道(詩人・作家)
<センター>村山槐多のいる風景/金井景子
正岡子規
俳句にありのままを写す/仁平 勝(俳人)
斉藤茂吉 「赤」の世界/加藤治郎(歌人)
北原白秋、西条八十
童謡の時代/坪井秀人(名古屋大学教授)
宮沢賢治
「作家」を拒んだ作家/安藤恭子(大妻女子短期大学講師)
高橋新吉ほか 解放の詩学/藤本寿彦(奈良大学助教授)
文学小事典
男うた女うた94 かぎろひ/佐佐木幸綱(歌人)
文学を旅する94 暮坂峠/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集94 みだれ髪/高橋春男
書物の歴史をたどる24 アルキメデス写本のデジタル化/高宮利行(慶應義塾大学教授)
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)