日本III
「われらの時代、さらばモスクワ愚連隊、書を捨てよ町へ出よう」ほか
<都市の反乱と文学>
1960~70年代、戦後の混乱期を脱して、急激な変貌を遂げる高度成長下の日本。安保闘争やオリンピックといった祝祭空間が人々を熱狂させ、身体と言葉のタブー・呪縛を解き放つ。文学的想像力の広がりは、人間存在と社会を問い直す先鋭的な作家群を生む。大江健三郎、五木寛之、寺山修司、安部公房らの作品から、混沌とした時代に対する「回答」を読み解く。
60年代の混沌とした祝祭空間の中から、新しい文学が生まれた。/井口時男(文芸評論家)
大江健三郎
政治と性のねじれた構造/井口時男
大江健三郎
「核時代」を障害児と共に生きる/井口時男
大江健三郎
「根拠地」としての谷間の村/井口時男
吉本隆明
国家は「共同幻想」である/井口時男
五木寛之
手段としての「娯楽」/斎藤慎爾(俳人・文芸評論家)
母の崩壊/菊田 均(文芸評論家)
<センター>つんのめるように生きた若者たち/井口時男
寺山修司
「内破」の予感/吉田文憲(詩人)
テントの演劇/唐 十郎(作家)
安部公房
砂のアヴァンギャルド/柘植光彦(専修大学教授)
高橋和巳
孤立無援を生きた知識人/小笠原賢二(文芸評論家)
深沢七郎、石牟礼道子
土俗の底へ降りて行く/小笠原賢二
内向の世代/柘植光彦
文学小事典
男うた女うた98 盆踊り/佐佐木幸綱(歌人)
文学を旅する98 高松/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集98 2001年のフットボール/高橋春男
書物との付き合い史3 街を行く本の行商人/高宮利行(慶應義塾大学教授)
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)