日本III
「松本清張、司馬遼太郎」ほか
<大衆読者の出現>
昭和30年代から始まった文学の大衆化現象。それまでの限られた読者を対象とした文学とは異質の、面白くて楽しい小説の出現である。読者層の広がりは社会構造の変化と関連。同時に作家や新聞社、出版社もその求めを的確に捉え、提供していった。
雑誌創刊ブームは、読者人口を爆発的に増やし文学の大衆化を生み出した。/藤井淑禎(立教大学教授)
松本清張
社会派推理小説の受容/藤井淑禎
中国における清張受容/王 成(中国・首都師範大学助教授)
女性向けロマンとメディア/近藤洋子(東海学園大学講師)
藤沢周平
孤独な鵜/渡辺憲司(立教大学教授)
水上勉
現代民話としての物語/大橋毅彦(甲南女子大学助教授)
<センター>京都・瑞春院仏間襖絵『雉の親子』/藤井淑禎
司馬遼太郎
文学現象を超えた国民作家/佐藤 泉(青山学院女子短期大学助教授)
池波正太郎 心の琴線に触れる物語/松田良一(椙山女学園大学教授)
井上ひさし
この国の危うい未来/今村忠純(大妻女子大学教授)
山田風太郎 いまを歴史に現出する物語/上野昂志(評論家)
石坂洋次郎
昭和の青春と知識人/藤井淑禎
文学小事典
男うた女うた99 雪の町の少女/馬場あき子(歌人)
文学を旅する99 修善寺/小松健一(フォトジャーナリスト)
マンガ 超誤訳・世界文学全集99 点と面/高橋春男
書物との付き合い史4 写字生ジャン・ミエロの仕事姿/高宮利行(慶應義塾大学教授)
編集委員
●安 宇 植(桜美林大学国際学部教授)
●池内 紀 (ドイツ文学者)
●池澤夏樹(作家)
●池田 修 (大阪外国語大学教授)
●井波律子(国際日本文化研究センター教授)
●上野洋三(国文学研究資料館教授)
●牛島信明(東京外国語大学教授)
●鹿島 茂 (共立女子大学文芸学部教授)
●樺山紘一(東京大学文学部教授)
●川村 湊(文芸批評家、法政大学第一教養部教授)
●川本三郎(評論家)
●喜志哲雄(京都大学文学部教授)
●沓掛良彦(東京外国語大学教授)
●小森陽一(東京大学教養学部教授)
●佐佐木幸綱(歌人、早稲田大学政経学部教授)
●高山 宏(東京都立大学人文学部教授)
●巽 孝之(慶應義塾大学文学部教授)
●徳田和夫(学習院女子短期大学教授)
●徳永宗雄(京都大学文学部教授)
●沼野充義(東京大学文学部助教授)
●野谷文昭(立教大学大学教育研究部教授)
●三田村雅子(フェリス女学院大学文学部教授)
●宮下志朗(東京大学教養学部教授)
●リービ英雄(作家、法政大学第一教養部教授)
●和田忠彦(神戸市外国語大学教授)