620円(本体価格)/682円(税込価格)
作家の石井さおりは、書き下ろし原稿執筆のため、伊豆の別荘にやってきた。彼女は執筆の合間の散歩中、坂の上に建つ洋館で暮らす、柴田祐紀という6歳の少年と出会う。彼は病気療養のため、洋館に滞在していると言うが、病名については口を閉ざす。
祐紀のことが気になったさおりは、何年も前に「祐紀」そっくりの少年を見たという女性に出会う。彼女の話を元に祐紀の周辺を調べ、彼と話すうちに、とても6歳とは思えない言動に不審を抱き始める。やがて、彼の脳は成人男性のもので、身体だけはいつまでも6歳児のままなのではないかとの疑問が生じる。さらに、祐紀の父親が日本を代表する遺伝子研究者であることが分かり……。身体の成長を止められた少年に秘められた謎を追う、医療ミステリー。