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1800円(本体価格)/1980円(税込価格)
江戸時代、武士は道ですれ違うとき、どちら側によけたのか? 刀が当たらないように左側通行だった、いや、道で抜刀しないように右側通行だったと、終戦直後の国会では、道路交通法案をめぐって侃々諤々の議論があった。歴史をさかのぼればどちらもありだった。人はどのように道を往来し、乗り物はどんな発達を遂げてきたか。 祇園祭など道路を練り歩く祭祀は数多く、道端には地蔵が安置されている。なぜ神仏は道路とともにあるのか。ケンペルら、江戸時代に来日した外国人は整然とした道路を称賛する。誰が命じて道路整備や維持管理がなされてきたのか。 文献史料、都城や鎌倉の道路遺構、故実書や絵図、日記などをもとに、道路利用から日本社会の特質を描き出す。
1400円(本体価格)/1540円(税込価格)
東北の海辺の町で発見された洞窟遺跡。そこには古代太平洋航路の謎を解く重要なカギが隠されていた。断片的な史料、遺跡・遺物から太平洋航路を行き来した古代の海人の足取りを復元し、新たな古代史の一面を解き明かす。
1600円(本体価格)/1760円(税込価格)
テレビで全国のご当地番組が次々放映されるほど、日本人には生活文化をはっきり他地域と区別する意識が息づいている。境界はどのように成立し、現代に引き継がれているのか。考古学・歴史学からなぜ日本の社会がこんなにも多様なのか、その起源を考える。
1600円(本体価格)/1760円(税込価格)
律令制とは徹底した文書管理によって中央集権体制を維持するシステムである。
八世紀半ばには、この駅路の逓送システムが整備されたことによって、中央の命令下達の文書が地方に行き渡り、謀反、東国の蝦夷反乱、飢饉や疫病などの危機情報や地方の状況がすみやかに中央政府に報告され、確実な地方支配が可能になった。
逓送はどのように行われ、駅家はどこに設置されたのか。七道駅路はどう構築されたのか。記録類や出土資料、文学を含めた古代の史料に断片的に現れる駅、駅家、駅家郷を丹念に拾い、その設置と実態を探る。また近年の発掘調査から具体的に見えてきた駅路の敷設工法、駅家の構造など、日本的な駅路の特色を浮き彫りにする。
九世紀初め、駅子の逃亡などで逓送システムは崩壊し、駅路は荒廃する。その後、地方は有力寺社や豪族が分権支配し、都では天皇への内奏で政策が決定される貴族政治が展開する。官僚制による統治システムは早々に破綻し、古代の中央集権体制は長く続かなかった。その過程を駅路を通して読み解く。
1400円(本体価格)/1540円(税込価格)
総延長は、北海道をのぞいた現代の高速道路にほぼ匹敵する古代駅路。全国規模で建設されたこの直線道路網は、古代史上最大の内乱、壬申の乱を征した天武天皇が行なった政策で、律令国家のあり方を具現化したものであった。じつは直線道路のあり方は古墳時代までさかのぼる。群雄割拠から天皇中心への転換を達成した雄略天皇の時代、変革と国際化の中で律令国家の建設に突き進んだ推古天皇の時代、律令国家完成の土台を築き上げた天武天皇の時代――。時代の転換期には道路の姿も大きく変化した。やがて律令国家そのものが弱体化し、ついに消滅すると、これらの道路も変質し、消滅してしまう。古代国家の体制変化と道路のあり方を、文献資料、発掘調査の成果から読み解く。