1900円(本体価格)/2090円(税込価格)
情報社会を支配する相互評価のゲームの〈外部〉を求め、「僕」は旅立った。
そこで出会う村上春樹、ハンナ・アーレント、コリン・ウィルソン、吉本隆明、そしてアラビアのロレンス――。
20世紀を速く、タフに走り抜けた先人の達成と挫折から、21世紀に望まれる主体像を探る「批評」的冒険譚。
目次
第1部 パンデミックからインフォデミックへ
1 パンデミックが閉じ込める
2 「動員の革命」をめぐって
3 閉じたネットワークと相互評価のゲーム
4 無力な妥当さと空回りするパフォーマンス
5 ドナルド・トランプ再び
6 弱さのマーケティング
7 「第三極」はなぜ機能しないのか
8 「遅い」インターネット
9 東京の「砂漠」とその喪失
第2部 アラビアのロレンス問題
10 アラビアのロレンスをさがして
11 ある私生児の来歴
12 アラビア「での」ロレンス
13 ブラフ・シューペリアと樺の鞭
14 英雄とペテン師
15 〈グレート・ゲーム〉のメカニズム ― ハンナ・アーレント『全体主義の起原』
16 預言者の身体 ― コリン・ウィルソン『アウトサイダー』
17 名前と運命 ― デヴィッド・リーンと性の問題
18 三島由紀夫と「遅れてきた青年」
19 ロレンスにとって「砂漠」とは何か
20 謝罪と訂正
第3部 村上春樹と「壁抜け」のこと
21 村上RADIOと京都マラソン
22 「コミットメント」のゆくえ
23 悪と性搾取
24 「壁抜け」の問題
25 1984年のヨガ教室
26 ステップファミリーと「悪」の消失
27 父性の軟着陸
28 駅とインターネット
29 男のいない男たち
第4部 脱ゲーム的身体
30 「自立」をめぐって
31 関係性の対幻想とゲームの複数化
32 脱ゲームの条件
33 「少なくとも最後まで歩かなかった」
34 ランナーの思想
35 速度と接続性
36 歴史に「見られて」いる
37 虫の眼
38 プラットフォームから、庭へ