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福島原発事故を引き起こし、莫大な損害補償を負い、実質「国有化」された東京電力。戦後60年間、9つの巨大電力会社は地域の経済団体の会長を務めるなど社会的、産業的に日本の支配者といえる存在だった。1990年代と2000年代にわたり、国は「電力の自由化」と「核燃料サイクルの見直し」を電力業界に求めてきたものの、2度とも失敗に終わった。しかし今回の原発事故を契機に、60年間封印されてきた日本の電力制度が変わろうとしている。本書は、70年代オイルショック後の電力業界と政治家・官僚・メディアの闘いを電力制度や原子力制度の変遷とともに描く。日本独特のエネルギー政策のあり方と今後の課題を、欧米の電力業界――自由化された制度、脱原発、自然エネルギー――との比較を交えて分析する。

97年末の京都会議で、地球温暖化をめぐる国際的議論がひとまず終わった。だが、そもそも地球は本当に温暖化しているのか、冷戦後の国際政治力学は温暖化をめぐってどのように働いたか。長年にわたって追跡してきた科学記者の書き下ろし総括。

病原菌があふれるこの世界で、なぜ病気にかからないのか、かかっても治るのか。なぜ、がんの治療は難しいのか。生命の不思議を解くカギである「免疫」の全貌を科学記者が分かりやすく解き明かす。「アップジョン医学記事特別賞」受賞。