いじめを受けた側、いじめた側、その友だち、家族、教師……。「いじめ」には、さまざまな“当事者”たちがいる。7人の人気作家が「いじめ」をめぐる人々の心模様を競作。胸の奥にしずかに波紋をなげかける、文庫オリジナルアンソロジー。
【収録作品】
・学校で「はぶられる」ようになった親友への、変わらない友情と変化への戸惑いを描く。 「緑の猫」 江國香織
・担任クラスで起きた不登校に向き合う女性教師、彼女自身も……。
「サークルゲーム」 荻原 浩
・30年前、いじめられていた友人への消えない罪悪感と苦い記憶を思い返す。
「明滅」 小田雅久仁
・受験に失敗した過去と、居場所のない水泳部の中で、少女は強くなろうともがく。
「空のクロール」 角田光代
・同級生にいじめられている少年が、飛び降り自殺を図った先で目にしたものは?
「20センチ先には」 越谷オサム
・塾経営者として成功した小学校の同級生。イタい子だった彼女を取材することになり……。 「早穂とゆかり」 辻村深月
・歌劇団のトップを目指す由美子と志乃の間に起きた事件の真相とは。
「メントール」 中島さなえ