古来、人は別世界を求めて海や道を越えて出て行った。峠とは山脈のなかで最も越えやすい道である。平坦でも水害に弱い川道より、尾根道のほうが人間にとっても牛馬運搬にとっても安定した道だった。「あるき、み、きく」歴史学の提唱者が、埋もれた道を踏み分けて流通の道、軍事の道、信仰の道を実際にたどる。和宮の越えた和田峠、政都に通じる鎌倉街道、国東の修験道の峰みち……、道から見た日本史。
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