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4091円(本体価格)/4500円(税込価格)
伊藤若冲が描いた絵に、彼と親交のあった禅僧―梅荘顕常(大典禅師)、高遊外(売茶翁)、無染浄善らは、賛すなわち詩文を着けました。江戸時代の鑑賞者たちは、それら絵と賛をともに楽しんだはずです。  しかし現在、「若冲の作品」として認識・鑑賞されているのはおもに絵で、賛を読み、その内容とあわせて絵を鑑賞することはほとんどないでしょう。現代人にとって、賛のくずし字を正しく読むことは容易ではなく、読めたとしても内容を十分に理解することは困難だからです。  本書は賛を徹底して読み、絵の魅力を改めて考えます。賛を読めば…(1)賛が絵に描かれていないものを示唆し絵の世界を大きく広げていること、(2)賛と絵が一体となって制作者たちの思想や心性を表現していること、(3)当時、共有されていた特定のモチーフの文化的イメージ、などが分かり、画の見方が変わります。  賛を読むこと――それは若冲の画業により深く迫り「若冲の作品」の秘密に出会うことなのです。
1700円(本体価格)/1870円(税込価格)
 17世紀の画壇を率いた巨匠、狩野探幽。名門画家の家に生まれ天才少年ともてはやされ、やがて徳川家康以下四将軍の御用をつとめ、後水尾天皇はじめ宮廷人に愛され、73歳で亡くなるまで精力的な活動を続けた。
 探幽は、徳川政権下に求められる「新しい絵」を提供した革新的な画家である。淡い墨や色がモチーフの微妙なニュアンスを描き出し、広い余白がモチーフを包む大気となって絵の外へと続く探幽様式に、当時の人々は魅せられていった。この新しさは、幼少期から貴顕の間で教養を磨き、時代の嗜好や顧客の要求に敏感に対応できるアンテナを鍛えてこそ生み出された。探幽の画業は、同時代の政治や文化と密着して展開していた。将軍、天皇はもとより稲葉正則、江月宗玩、林羅山、小堀遠州といった当時の大物政治家、文化人との交際、協働が探幽の活動の基盤になった。つまり、探幽という画家とその作品は17世紀の政治と文化を知る重要な窓口の一つといえる。
 探幽は生まれたときから巨匠だったわけではない。本書は探幽という巨匠の誕生を、画才、社交、組織の三つの面から考える。他の画家と比較することでその様式の魅力を明かにし、パトロンや文化人との社交のなかに画業の充実と社会的栄達を得る姿をみ、弟子や工房をまとめる組織の長としての活動も知る。探幽が巨匠となり得た秘密を、言葉をつくし図版を駆使して語る。