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「もう古くなったのかな、もう通用せえへんのかな」
2024年7月の東京都知事選挙の投開票日直後、辻元清美はそんな弱音を漏らした。
各メディアは、この発言を大きく取り上げた。
なぜなら、その言葉は与党・野党を問わず、おそらくほとんどの既成政党の本音だったからである。あるいは新聞、テレビといったメディアも同じように古くなったか、との自らの危機意識を表したとも言えようか。
さらに衆議院選、そして兵庫県知事選と続き、24年はSNSの影響力が明確に見えた「元年」だ。陰謀論というべき言説や真偽不明な噂話、さらには露骨なデマが拡散された。「二馬力選挙」も登場した。
しかし、このような絶望的な状況下でこそ、希望の光を見つけなければならない。日本政治はいくつもの重大問題を抱え、立ち止まっている余裕はないのだ。
少子化、女性と政治、政治とカネ――。
民主主義を危うくする事態が山積している。
政界の最前線に立ち続ける辻元参議院議員と、「日刊ゲンダイ」第一編集局長として筆鋒鋭く権力と対峙する小塚かおるが、問題の核心を衝く討論を繰り広げる。
辻元・「ガラスの高下駄」を履いた世襲議員なんか要らない。
小塚・批判がダメなら、権力監視の役割放棄です。
生物としての人間の宿命という地球的テーマで、生物・生態学者の五箇公一氏との、そしてSNSの実態を解明する評論家・作家の古谷経衡氏との、異色の各鼎談も収録。
〈目次から」
プロローグ 「弱音」の真相
第1章 政治の原点とは、何か
第2章 政治に、もっと力を、もっと女性を
第3章 鼎談1 人類は滅びるのか? 五箇公一と
第4章 鼎談2 SNSが起した選挙の地殻変動 古谷経衡と
第5章 ダメなメディア――政治はもっとダメ
エピローグ 私たちは我が道を行く