1500円(本体価格)/1650円(税込価格)
友愛でも共感でもなく、この刹那に集う女たち。
作家志望のライター美玖、共働きで女性誌の編集をつづける弓子、インテリアデザイナーのユリ。
都内きってのナンパ街となった銀座のコリドーで、三人は互いのプライベートに踏み込まない距離感を保ちながら、この場かぎりの「ともだち」として付き合いをつづけている。
気ままな飲みともだちに見えるが、彼女たちが抱える虚無は、仕事でもプライベートでも、それぞれに深い。
結婚したばかりの男に思いを寄せ、不倫によって日常が一変する美玖。サレ妻となった弓子は、夫の監視に疲弊しながら仕事と家庭と自尊心を守ることに必死だ。ユリの生活はリア充に映るが、まったく不透明で真実を見通すことができない。
愚かしく、狂おしく、密やかに――彼女たちの日常にひそむ罠と闇と微かな光。
女性の生き辛さと新たな連帯をを鮮やかに切りとる著者の到達点。