私の昔からの癖だが、地図の中で肥前の島々や浦々をたどっていると、にわかに貿易風の吹きわたるにおいを感じてしまう――唐津から平戸、長崎へ…。肥前の浦々を歩きつつ、中世に始まった海の時代の、南蛮から紅毛への時代の移りゆきを思う。10.5ポイントという大きな活字によって身近になった司馬遼太郎の世界。詳細な地図や当時の雰囲気を表す写真を多数収録。特色あふれる編集による新シリーズ。
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