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540円(本体価格)/594円(税込価格)
著者が幾度もその小説の主人公に据えた信長・秀吉・家康を生みながら、なぜか『街道をゆく』の“空白地帯”になっていた愛知県をゆく「濃尾参州記」。体調不良を押して紡いだ7話は分量わずかながら、三英傑が目の前に立ち現れてくるよう。
『街道』の連載は急逝により25年で途絶えたが、司馬遼太郎はいつまでも読者の心の中の「街道」を歩き続ける。挿画の安野光雅氏の「司馬千夜一夜」を付載。
760円(本体価格)/836円(税込価格)
横浜のホテルに宿泊して勤め人のように通いつつ「三浦半島記」の取材をした著者。ごく小さな場所ながら日本史を旋回させる舞台となった、三浦半島を舞台にした。あまたの武者の血を吸った鎌倉の地を歩いては、現代の日本にとっても重要な要素である武士の起こりと「中世」の成立を考える。横須賀では記念艦として保存されている戦艦「三笠」を再訪し、『坂の上の雲』取材時の「秘話」もつづる。
880円(本体価格)/968円(税込価格)
津軽衆と南部衆の応酬を酒場で楽しみ、太宰治の孤独を考える「北のまほろば」。弘前城の近くの商家では、石坂洋次郎の教え子だった、魅力的なおばあさんに出会う。下北半島では会津藩を思い、マタギ衆の熊狩りの話も聞いた。異色のタイトルは、古代の青森は物成りのいい「まほろば」だったのではと考えてつけたもの。連載中に縄文時代の繁栄を物語る三内丸山遺跡が発見され、著者はご機嫌だった。
940円(本体価格)/1034円(税込価格)
「国家とはなにか」をテーマに、1993、94年に訪れた台湾を描き長編となった「台湾紀行」。当時の台湾は、蒋家の支配が終了し、急速に民主化がすすみ、歴史が見直されようとしていた。著者は台北、高雄、台東、花蓮などを訪ねる。「台湾」という故郷を失った日本人もいれば、「日本」という故郷を失った台湾人たちもいた。
巻末には当時の李登輝総統との歴史的な対談「場所の悲哀」も収録している。
560円(本体価格)/616円(税込価格)
ドナルド・キーン氏の退官記念の講演のため再訪したニューヨーク。日本人も忘れてしまった日本を「発見」した研究者たちとの触れ合いが楽しく、ブルックリン橋のたもとで「アメリカ文明」の勃興を思い、世界中からの移民を呑み込んで膨れあがるマンハッタンを歩く。「アメリカのおもしろさは、変化である」と看破した「ニューヨーク散歩」が発表されたのは、同国の歴史を変える「9・11」の9年前のことであった。
980円(本体価格)/1078円(税込価格)
日本人の先祖の一派で、5~10世紀に北海道を拠点に活躍したオホーツク人。幻の海洋民族の痕跡をたずね、著者は「オホーツク街道」の旅で、稚内、枝幸、常呂、網走などを歩いた。少年時代からの考古学ファンで、さらに雄大な北海道考古学の世界に魅せらせる。「雪の季節に北海道に行ってみたかった」という一行そのままに、ゴム長姿で雪を蹴散らし、地元に溶け込んでいく。
760円(本体価格)/836円(税込価格)
明治の日本で、欧米文化を地方に配る配電盤の役割を一手に引き受けた東京。中心を歩いた「本郷散歩」。東大の担った役割とは――。夏目漱石の「三四郎」をテキストにして、東京の成立の玄妙さを考える。登場人物に「日本は亡びるね」といわせた漱石に対し、著者は深い共感を寄せる。執筆したのはバブルの崩壊が進行中の時代で、筆者も同じことを考えていたのだろう。
ラストの三四郎池の場面では、釣りをする少年との会話が印象に残る。
920円(本体価格)/1012円(税込価格)
「文七元結」「大山詣り」「富久」といった落語を思い出しつつ、東京・本所深川を歩く「本所深川散歩」。三遊亭円朝、三代目柳家小さんのあとは、夏目漱石、芥川龍之介が登場する。落語から明治の近代文章語の成立に話は移っていく。「神田界隈」では、著者のなじみでもある本の街・神田が舞台。古書街の英雄たち、この町で勃興していく学問の担い手たちが描かれる。神田は、近代日本を知的に支えた町でもあった。
980円(本体価格)/1078円(税込価格)
ときあたかも1980年代末の土地バブルに躍る日本をあとに、「国民が国土を創造した」オランダを訪ねる「オランダ紀行」。鎖国時代の日本にとって、暗箱にあいた針穴から射しこむほどのかすかな外光がオランダだったと著者はいい、プロテスタント精神の発露たる商業活動が育てた自律的、合理的な国民性をゆく先々で実感する。さらに、レンブラントやゴッホの絵画への著者の深い理解が共感を呼ぶ。
720円(本体価格)/792円(税込価格)
能、狂言、茶道、絵画などが勃興し、現在の日本文化の原点といえる室町の世を考えながら早春の京都・紫野を歩いた「大徳寺散歩」。大燈・一休以来の厳しい禅風がいまも生きる境内を、心地よい緊張感を感じつつゆく。
「中津・宇佐のみち」では、宇佐使の宇佐八幡、黒田官兵衛の築いた中津城と、その歴史をたどる。そして、幕末の中津が生んだ福沢諭吉の、独立不羈の精神について多く筆を費やす。
780円(本体価格)/858円(税込価格)
「奥州こがれ」を持ち続けた著者は、「白河・会津のみち」の旅の始まりを、高名な白河の関におく。戊辰戦争の舞台となった白河を歩き、会津若松に向かう。会津藩への思いは深く、「私には、強い同情がある」と、あらためて念を押す。「赤坂散歩」は、以後につづく東京編の第一作。勝海舟、乃木希典といった人物のほか、大岡越前守、浅野内匠頭の妻、瑤泉院も登場し、江戸時代に引き込まれる。
680円(本体価格)/748円(税込価格)
淡路島から大鳴門橋を経て入ってゆく「阿波紀行」。阿波の中央を深く刻んで流れる吉野川をさかのぼる。長宗我部元親、三好長慶、稲田氏などの「兵ども」が領土経営にかけた思いをたどる旅になった。
「紀ノ川流域」は、在阪の筆者にとって気軽な旅となった。根来寺を訪ねて豁然たる境内に往時の殷賑と根来衆の強悍さをしのび、日前宮の圧倒的な森の下を歩いて「木の国」の芯を感じる。
680円(本体価格)/748円(税込価格)
「愛蘭土紀行」の旅は、いよいよ、いまなお妖精の棲む「アイルランドの中のアイルランド」に、足を踏み入れる。アラン島に象徴される荒れ地と英国支配のくびきが育んだ信仰、孤独、幻想……。そして、それらアイルランド的な性格なしには生まれ得なかった文学。「山河も民族も国も、ひとりの“アイルランド”という名の作家が古代から書き続けてきた長大な作品のようでもある」という感慨とともに旅は終点へ向かう。
700円(本体価格)/770円(税込価格)
人口は少ないが、アイルランドは堂々たる「文学大国」。ジョナサン・スウィフトやオスカー・ワイルド、W・B・イェイツ、ジェイムズ・ジョイスなどを生んだ。隣のイギリスとは、政治的にも宗教的にも長く戦ってきた歴史をもつ。ロンドンで漱石を思い、リバプールでビートルズを感じ、ダブリンへ。ケルトの魂に触れつつ、躍動感のある「愛蘭土紀行」の旅がはじまった。
760円(本体価格)/836円(税込価格)
「秋田県散歩」は、象潟の蚶満寺に、めずらしく戦友を訪ねるところから旅が始まる。菅江真澄、狩野享吉、内藤湖南など、清明無私で著者好みの先人を追う足は、南部との藩境近くまで伸びた。
「飛騨の匠」の伝統、戦国期の支配者・金森氏の洗練、鉱山を背景にした富裕の跡を訪ねる「飛騨紀行」では、下界と隔絶した感のある高原の国ゆえに残る「品のよさ」を再確認する。
740円(本体価格)/814円(税込価格)
「耽羅紀行」では、韓国南端の済州島を、そこに故郷を持つ在日の畏友二人を先達に歩く。日本に押し寄せた蒙古軍が馬を肥やした漢拏山麓の草原をめぐり、巫人や海女など古層で日本文化とつながる民俗を訪ねる。繰り返し表れるのは、朝鮮史五百年の停滞をもたらした科挙および朱子学への強い批判と、巻き込まれざるを得なかった民衆への哀憐の情。著者による朝鮮(民族)論の集大成の観がある一冊。