「文七元結」「大山詣り」「富久」といった落語を思い出しつつ、東京・本所深川を歩く「本所深川散歩」。三遊亭円朝、三代目柳家小さんのあとは、夏目漱石、芥川龍之介が登場する。落語から明治の近代文章語の成立に話は移っていく。「神田界隈」では、著者のなじみでもある本の街・神田が舞台。古書街の英雄たち、この町で勃興していく学問の担い手たちが描かれる。神田は、近代日本を知的に支えた町でもあった。
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