急死した旧い友人への思いから旅先を決めた「壱岐・対馬のみち」。船酔いに耐えつつたどり着いた友人の故郷である対馬は壱岐とともに、古来、日本列島と朝鮮半島の中継点でありつづけた地。海峡往還のなかで、この両島を通り過ぎた、あるいは数奇にもこの地で土に還った、有名無名の人々の人生を思う旅となった。政治情勢が帰ることを拒む故国の山影を見いだすため、波濤のかなたに目を凝らす在日朝鮮人の同行者の姿も胸を打つ。
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