著者が幾度もその小説の主人公に据えた信長・秀吉・家康を生みながら、なぜか『街道をゆく』の“空白地帯”になっていた愛知県をゆく「濃尾参州記」。体調不良を押して紡いだ7話は分量わずかながら、三英傑が目の前に立ち現れてくるよう。『街道』の連載は急逝により25年で途絶えたが、司馬遼太郎はいつまでも読者の心の中の「街道」を歩き続ける。挿画の安野光雅氏の「司馬千夜一夜」を付載。
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