「私はどうにも近江が好きである」という「湖西のみち」(第1巻)以来に、彼の地を歩く「近江散歩」。江戸時代と変わらずたたずむもぐさ店や鉄砲店に驚き、一方で景観や湖水を我が物顔に侵す乱開発を憤る。「奈良散歩」では春浅い東大寺に千年以上の伝統を持つ修二会(お水取り)の行事を訪ねる。「この世には移ろわぬものがあるという安堵感」を説くくだりは、「文明」と「文化」の違いを考えさせて、深い。
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