駆け出しの新聞記者として福井地震(1948年)の惨状を取材した著者にとって、越前は強烈な記憶の場所だった。「越前の諸道」では九頭竜川の育てた肥沃な平野を往来しつつ、永平寺の隆盛と道元の思想を思い、「僧兵八千」を誇りながら越前門徒の一揆にもろくも敗れた平泉寺の盛衰を考える。平泉寺の菩提林では、十余年前に訪れたときと同じ老人に偶然再会する不思議な場面にも遭遇する。
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